強皮症の原因・症状
「強皮症」という病名を聞いたことはあるでしょうか。皮膚や内臓に異常をきたす30〜50代の女性に多い難病で、日本全国に6,000人以上の発症者がいると推定されています。
「強皮症」のはっきりとした原因はよく分かっていませんが、次の3つの要因に関係していると考えられています。
- 皮膚内の線維芽細胞が活性化、大量増殖し、皮膚や内臓が硬化する。
- 血管の異常で指先などの皮膚が変色、変質する。
- 免疫システムの異常により自己抗体が発生し、皮膚を傷める。
これらの原因により、全身の皮膚や肺、食道、胃、腎臓などにさまざまな強皮症の症状を引き起こします。
主な強皮症の症状は
- レイノー症状…冷たいものに触れると手の指先が白や紫っぽい色になる。初期症状としてはもっとも多い。
- 皮膚硬化…手指から始まり、全身、内臓にかけて皮膚や組織が硬くなる。最初は腫れぼったい状態で、症状が重くなると曲げるのも困難なほどカチカチに。
- 肺線維化…肺が硬くなり、咳や呼吸困難が起きる。肺は内臓の中でもっとも強皮症の影響を受けやすい臓器で、肺炎や肺高血圧症なども引き起こすことがある。
- 強皮症腎クリーゼ…腎臓の血管に障害が起こり、高血圧を引き起こす。特効薬が開発されている。
- 逆流性食道炎…食道の下部が硬くなり、胃酸が食道に逆流する。胸焼け、胸のつかえ、逆流感などが生じる。
この他にも皮膚の石灰沈着、色素異常、不整脈や心不全、関節痛などの症例があるようです。
強皮症の治療法
強皮症は、線維芽細胞、血管、免疫システムなどの異常が原因とされていますが、はっきりと解明されたわけではないので治療法も確立されていないのが現状です。
そんな中、ある程度効果が期待される治療法・治療薬が6つあります。
- ステロイド…皮膚硬化の進行を抑制
- シクロホスファミド…肺線維症を抑制
- プロトンポンプ阻害剤…逆流性食道炎の防止
- プロスタサイクリン…血管の病変を防止
- ACE阻害剤…強皮症腎クリーゼの発症を抑制
- エンドセリン受容体拮抗剤…肺高血圧症の治療
これらの薬品による強皮症の治療も、まだ研究段階で、今後さらなる開発が期待されています。また、強皮症の症状は皮膚だけでなく各臓器にも及び、その範囲も患者によってさまざまなので、個別の症状に合わせた治療法の確立が必要とされています。
現在、各臓器ごとに重症度の分類を設定し、それぞれの重症度に応じた治療法の選択肢を示した治療指針が作成されています。その試案が「強皮症研究会議」のホームページ上で公開されていますので、興味のある人は調べてみてください。
いずれにしても早期発見、早期治療が肝心です。皮膚、特に手指の硬さや質感などに変化を感じたら、放っておかず早めに診療してもらうことをおすすめします。

